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お知らせ・雑談

18/06/07

読解力と生産性

Sost, Pakistan

Sost, Pakistan

 

  ウェッブ製作の仕事をしている友人が取引先に 「アジェンダ」 を要求され、「アジェンダってなに?」 と話していました。私なりにウェッブ製作業務でのアジェンダと言われて思いついたことは、「作業計画」または「コンテンツの概要」でした。この友人が客先に問い合わせたところ 「打合せ議事録」 のことでした。 なぜ取引先の担当者は勘違いを生まない分かりやすい言葉で要求しなかったのでしょうか?

  数日前に「読解力と生産性の低さ」についての興味深いコラムがネットニュースにありました。 以下リンク先(リンク切れの可能性があります。)https://www.msn.com/ja-jp/news/money/日本の生産性を引き下げている「文章を読めない人」/ar-AAyb0Bl?ocid=spartandhp#page=2  ここでは、業務メールなどの文章を正しく理解しないまま物事が進むので、実際に会って内容を再確認しなければならないと指摘しています。さらに著者がコンサルティング業務をしていたときの経験談として、一部のビジネスパーソンは業務上のやり取りについて内容を十分に把握できていなく、経営に支障を来し得た、としています。

文章の読解力がどのように確立するかというと、次の要素が考えられるとのことです;読むテクニックに例えられる論理性の有無、視点を左右する感情、言語その物の性質。これを自分に当てはめた場合、どのように読解力を改善できるかは分かりません。

コラムより次を抜粋します。

「⽇本のサイトは、統計データと関連するおびただしい注記事項が羅列してあるだけというケースが多く、情報が整理されていない。様々な⽴場の⼈が読むことをまったく想定していないのだ(あるいは想定していても、体系⽴てて表記できないのかもしれない)。困ったことに、こうした分かりにくい情報に対して改善の要求が出されるのではなく、詳細を知っている⼈が、分かりにくさを利用して、分からない⼈に対して優越的な⽴場に⽴つという、本末転倒な現象も散⾒される。あなたの職場にも、分かりにくい情報しか提⽰できないにもかかわらず、「こんなことも知らないのか」と悦に⼊る同僚がいないだろうか。」

このような状態では、読み手の立場では情況を改善できません。こうなるとコミュニケーションに由来する生産性の低さは読み手によるものではなく、書き手によるものが多く貢献しているように思えます。

私の翻訳業務でもこの点に多く悩まされます。 特に日本語から英語の翻訳の場合です。典型的な例としては「長文」と「常用漢字以外の漢字」です。 場合によっては、翻訳よりも読解に多く時間をかけなくてはいけないこともあります。一言一句=文ひとつにたいして要点をひとつにする、常用漢字以外の漢字=ひらがなに書き換える、さらに一般的に使われていないカタカナの言葉を避ける。これだけで随分は読みやすくなると思います。「アジェンダ」って何のことでしたっけ?